2015年3月14日に北陸新幹線が金沢まで延伸開業し、今年2025年3月14日には開業10周年を迎えます。
開業10周年まであと1ヶ月半となりました。
開業10周年を迎えるにあたって新潟のマスコミもそれ関連の報道や特集はやるでしょう。
新潟のマスコミのことですから、少なくとも良い内容の報道はしないと思うので、マスコミの報道に負けないように動画や記事を作って事実を発信していきたいと思います。
さて、北陸新幹線が金沢まで延伸開業すると、北陸新幹線の沿線地域で一番規模の大きい金沢市が新幹線で富山県や長野県、首都圏などと往来がしやすくなるため、それにともなって金沢市のビジネスや企業の拠点性も向上すると思われていました。
その代わり上越新幹線沿線地域、特に新潟市では企業進出が少なくなり、ビジネスや企業の拠点性が低下するのではないかと懸念されていました。
しかし、開業から10年が経過しようとしている今、しっかり調べてみるとそのような懸念は起こっていなかった、むしろ新潟市の拠点性が大幅に向上していることがわかりました。
更新履歴
2025年1月29日 動画を追加、記事内容一部修正
2025年1月19日 初投稿
その理由はオフィス供給量とオフィス空室率のデータでわかります。
「三幸エステート株式会社」のウェブサイトでは新潟市を含む主要都市のオフィス空室率や平均賃料、供給量などの推移のデータを公表しています。
それを参考に新潟市のオフィス空室率がどれくらいで企業の拠点性がどれくらい向上しているのかを見ていきましょう。
データは2020年版で2010年から2019年まで、2024年版で2014年から2023年までのものが出ています。

これらを1つにまとめるとこうなります。
2010年の空室率は16%でしたが、それ以降少しずつ空室率が下がっていき、北陸新幹線金沢延伸開業の2015年には10%にまで下がりました。
2016年には少し上昇したものの、その翌年2017年から一気に下がっていき、2019年には5%を下回り、2021年には最も低い空室率になりました。
そして直近の2023年は4.99%です。
オフィス空室率というのは5%未満で適正値と言われており、直近の2023年の場合はオフィス需要が非常に高い状態であると言えます。
10%を超えた場合は危険水域と言われており、2010年から2016年は10%以上だったので危険水域、つまり供給過剰あるいは需要がないという状態だったということになります。
しかし、2017年以降は下がり続け、直近の2023年で5%未満になっているので、近年はオフィス需要が非常に高くなっていると言えます。

この期間中にどれくらいのオフィスビルが新潟市内に作られたか(オフィス供給がどれくらいあったか)も見ていきましょう。

これらをグラフに書き込むとこんな感じになります。
新たなオフィスビルが作られてもすぐにテナントが埋まって空室率が下がっていることがわかります。
特に北陸新幹線金沢延伸開業の2015年以降はオフィスビルが増えましたが、それでも空室率は下がり続けています。
また、2015年は新潟市BRTも開業しており、マスコミがネガティブ報道をしつこくやっていましたが、その影響は全くなかったということになります。
さて、三幸エステートのデータには金沢市のデータも出ているので比較のためにもついでに見てみようと思います。
新潟市と同じようにデータは2020年版で2010年から2019年まで、2024年版で2014年から2023年までのものが出ているので、

それらを1つにまとめてみました。
金沢市は2010年に空室率が20%もありましたが、2012年以降空室率が下がり続け、北陸新幹線が開業した2015年以降も下がり続け、2019年には5%を下回りました。
しかし、2021年以降空室率が上昇に転じ、2022年には再び10%を超え、2023年は10.62%でした。
5%未満では適正値と言われているので、2019年まではオフィス需要が高かったと言えます。
しかし、10%を超えた場合は危険水域と言われているので、直近の2023年は供給過剰あるいは需要がないということが言えます。

この期間中にどれくらいのオフィスビルが金沢市内に作られたか(オフィス供給がどれくらいあったか)も見ていきましょう。

これらをグラフに書き込むとこんな感じになります。
新たなオフィスビルが完成すればするほど空室率が上昇しているのがわかります。
そういえば昨年11月に金沢市中心部の様子を見て回ったときにオフィスビルには「テナント募集」の看板が掲げられているところが多かったですね。
やっぱりそうだったんだなと確信できました。
2010年には20%という異常に高い空室率だったのが、そこから2019年まで空室率が下がり続けていたのは単純に2015年の北陸新幹線の開業効果でオフィス需要が高まったというのもあると思います。
しかし、金沢市の場合は特殊事情もありました。
上のキャプチャを見てもわかると思いますが、オフィスビルの需要が全然ないけどホテル需要の方が高まっているという理由で元々オフィスビルだった建物をホテルに改修したというケースやオフィスビルを解体して新しいホテルを建設したというケースがいくつかあります。
それもオフィス空室率が下がった大きな要因です。
ちなみに新潟市の場合はそんなことは行われていません。
そして、2022年に空室率が上昇し10%以上になってしまったのは、その頃金沢駅金沢港口の近くに規模の大きいオフィスビルができたからというのもありますが、それ以前にオフィス需要がなくなっていたということも考えられます。
なぜなら、需要があるのであれば新潟市のように新たにオフィスビルが作られても空室率が下がるはずだからです。
新しくオフィスビルが作られたあとに空室率が上昇するということは、供給過剰あるいは需要がないということになります。
つまり、今の金沢市はオフィスの拠点性が低下していることになります。
ここまでのは2023年までのデータでしたが、今現在のオフィス空室状況を調べることもできます。
「オフィスナビ」というウェブサイトで都市名で検索すると結果が出てきます。
新潟市の掲載オフィスビル数は111棟、募集件数(空室区画数)は95区画です。
金沢市の掲載オフィスビル数は75棟、募集件数(空室区画数)は218区画です。
長野市の掲載オフィスビル数は36棟、募集件数(空室区画数)は60区画です。
富山市の掲載オフィスビル数は30棟、募集件数(空室区画数)は35区画です。
福井市の掲載オフィスビル数は15棟、募集件数(空室区画数)は24区画です。

これらを表にまとめるとこうなります。
金沢市だけ空室数が突出して異常に多いことがわかります。
北陸新幹線金沢延伸開業により金沢市のビジネスの拠点性が向上し、その代わり上越新幹線沿線地域、特に新潟市ではビジネスの拠点性が低下すると思われていたようですが、これらのデータを見ると新潟市ではその影響は全く受けてないことがわかります。
むしろオフィス空室率が下がり続け、直近の2023年には5%未満になっていることから、新潟市ではオフィス需要が大幅に向上しています。
これは2007年に新潟市の政令指定都市移行など、2018年まで16年間新潟市長だった篠田氏の様々な政策が良かったからこそ需要が高まってきたのだと考えています。
さらに、現市長の中原氏も企業誘致に力を入れているので、その政策がうまくいき、さらなるオフィス需要の向上につながっているのだと思います。
これだけ新潟市でオフィス需要が高ければ、新潟駅の南口で建設中のオフィスビルも短期間ですべて埋まると思いますし、旧新潟三越跡地再開発ビルにもオフィスフロアが作られますが、それも完成したらすぐに埋まるのではないかと思います。
逆に金沢市は北陸新幹線で富山県や福井県だけでなく長野県や東京都にも往来しやすくなり来訪者が増加している上、関西地区や中京地区からも多くの人が来訪するんじゃなかったのかw どうしたんだw と思います。
しかも空室率が異常に高い状態が解消されないのにもかかわらず、今後も大きなオフィスビルがいくつか作られるそうです。
この空室率が異常に高い状態は長く続く可能性があるので、今後もオフィスビルをホテルに転換するということが起こりそうな気がします。
新潟市では今後も企業進出が増え、ビジネスの拠点性がさらに向上するよう、有効な政策をやってもらいたいと思います。



