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2024年09月17日

【新潟県外の街】郊外や近隣都市にイオンモールとアウトレットとコストコが出店してくると北陸新幹線や路面電車があっても中心市街地がガラガラで衰退して財政難になります。

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新幹線の駅があって、在来線の路線網も充実していて、しかも路面電車まで走っている都市といえば、中心市街地が多くの人で賑わっていて活気があふれている、そんなイメージを持っている人が多いようです。
しかし、それにもかかわらず、中心市街地に人が全然いなくて活気があふれていない都市というのはいくつもあります。
そのうちの一つが富山県高岡市です。

街づくりの参考にもなるとても良い事例だと思ったので、あらためて高岡市の中心部を歩いてみてみることにしました。
行った日は2024年9月7日(土曜日)で、時間は昼12時ごろです。


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高岡駅です。
高岡駅はあいの風とやま鉄道線、JR西日本氷見線と城端線、そして路面電車の万葉線が乗り入れており、鉄道路線網が充実している駅です。
さらに城端線で一つ隣には北陸新幹線の停車駅である新高岡駅があります。
高岡市の人口は約16万人なので、新潟県でいう人口約18万人の上越市に似たような都市です。
ちなみに、上越市にもえちごトキめき鉄道日本海ヒスイラインと妙高はねうまライン、JR信越本線、北越急行ほくほく線が乗り入れる直江津駅と新幹線停車駅である上越妙高駅があり、鉄道路線網についても似たような感じになっています。

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高岡駅そのものは北陸新幹線金沢延伸に合わせて橋上駅舎にリニューアルしています。
商業施設も駅舎の中にあり、主にコンビニや飲食店、土産物店などが出店しています。

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高岡駅の1階には路面電車の万葉線ののりばがあります。
高岡駅のリニューアル前までは駅の前に停留場がありましたが、新駅舎完成時に駅の中にのりばが作られました。

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高岡駅には地下街もあります。
地下街そのものはずっと昔からあるもので、ここも北陸新幹線金沢延伸に合わせてリニューアルしています。
地下街といえば東京23区や政令指定都市などの大都市に多いイメージがありますが、そうではない高岡市にあるのは珍しいのではないでしょうか。
地下街があるということはそれだけ人がたくさんいて賑わっているのかと思われそうですが、残念ながら画像を見てもらうとわかるようにガラガラです。

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駅前の大通りを歩いてみましょう。

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歩道には立派なアーケードが設置されており、典型的な駅前の商店街という感じですが、
行った時間は土曜日の昼12時ごろで、すぐ近くに路面電車も走っているのに、人が全然いません。
土曜日なのにシャッターが閉まっているお店が多数あります。

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そこから少し歩いたところに万葉線の末広町停留場があります。
すぐ近くに全体がアーケードで覆われた商店街もありますが、
行った時間は土曜日の昼12時ごろで、すぐ近くに路面電車の駅があるのに、人が全然いません。
土曜日なのにシャッターが閉まっているお店が多数あります。

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この商店街には「御旅屋セリオ」という8階建ての複合ビルがあります。
このビルにはかつて新潟市にもあった百貨店「大和」がありましたが、2019年8月に閉店し、今は1階に規模を縮小した形で「富山大和」のサテライトショップとして営業しています。

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1階より上の階にもお店や施設などがあり、フロアガイドを見ると頑張ってテナントを埋めている印象がありますが、半分くらいは行政関連の施設といった感じです。

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店内の様子はというと、テナントは頑張って埋めてはいるものの、ガラガラです。
行った時間は土曜日の昼12時ごろで、すぐ近くに路面電車の駅があるのに、ここも人が全然いません。

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さらにもう少し歩いたところまで行きます。
片原町停留場付近にある商店街ですが、この商店街にも人が全然いません。
行った時間は土曜日の昼12時ごろで、すぐ近くに路面電車の駅があるのに、ここも人が全然いません。

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ちなみにこの片原町停留場は路面電車の停留場としては珍しい、安全地帯のない停留場です。

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路面電車の停留場というのは普通はこの画像の停留場のようにのりばが少し高くなっていて安全柵も設置されているのですが、この片原町停留場にはそれがありません。
電車に乗る場合は危ないので到着するまで歩道で待っている必要がありますし、電車から降りた際は道路のど真ん中に降ろされることになるので危ないです。


話が少しそれましたが、このように、行った時間が土曜日の昼12時ごろで、路面電車も走っているのに、中心市街地には人が全然いないのです。
ではなぜここまで人がいないのかというと、
まず1つ目の原因は北陸新幹線金沢延伸開業の2015年に郊外や近隣都市に郊外型大規模商業施設が次々に出店してしまったことです。

2002年9月に北陸新幹線が開業することを見越して、今の新高岡駅のすぐ近くに「イオンモール高岡」がオープン、
北陸新幹線金沢延伸開業した2015年7月に高岡市の西側の小矢部市に「三井アウトレットパーク北陸小矢部」がオープン、
北陸新幹線金沢延伸開業した2015年8月に高岡市の東側の射水市に「コストコ射水倉庫店」がオープンしました。
さらに北陸新幹線金沢延伸開業した2015年7月に高岡市の南側の砺波市にあったジャスコ砺波店が「イオンモールとなみ」としてリニューアルオープン、
そして2019年9月にはイオンモール高岡が増床しリニューアルオープンしています。
これらの郊外型の大規模商業施設が2015年に次々に出店したことにより、買い物客はそれらのお店に集まるようになりました。

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その証拠として、この中で実際にイオンモール高岡へ行ってみましたが、ガラガラの中心市街地とは打って変わってたくさんの人で賑わっていることが確認できます。
他の3つの店舗もこれと同じようにたくさんの人で賑わっているはずです。


2つ目は高岡市中心部に集客力の高い商業店舗がないことです。
高岡駅をリニューアルしたことや駅の中に商業施設を作ったことは良いことだと思うのですが、コンビニ、飲食店、土産物店など、出店しているお店が無難なお店ばかりで集客力があるとは言えません。
商店街を歩いてみてもやはり営業しているお店は無難なお店ばかりで、魅力があるとは思えないお店ばかりです。
2019年8月に閉店した百貨店「高岡大和」の跡地には頑張ってテナントを埋めてはいるものの、どのお店も魅力を感じませんでした。


このことからわかるように、路面電車を走らせればそれだけで「中心市街地が活性化する」とか「歩行者が増える」というわけではないのです。
路面電車や公共交通も街づくりの大事なツールではあると思いますが、それだけでなく、郊外に大規模商業施設を出店させずに中心市街地だけに商業施設を誘致するなど街づくりの観点での対策も必要になります。
それを考えると、新潟市はJR以外の軌道系交通がなくても連節バスを走らせるだけでも街づくりや政策がうまくいっているからこそ再開発ラッシュが起こり、中心市街地がたくさんの人で賑わっているのです。


新潟でも鳥屋野潟南部だかどこかにコストコを誘致しようとしているようですが、そんなことをしたら大変なことになるのは確実です。
せっかく新潟駅の商業施設がリニューアルオープンし今でもたくさんの人で賑わっていて、万代シテイも新潟駅に負けないくらい多くの人で賑わっていて、古町でも旧三越跡地の再開発が始まろうとしているのに、それをやってしまうと今までの努力が水の泡になります。
そんなことにはなってほしくないので、今後も新潟市に対して計画中止運動をしていきたいと思います。
posted by 八七 at 15:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新潟県外の街 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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