新潟県の糸魚川駅から長野県の松本駅までを結ぶJR大糸線は糸魚川〜南小谷間はJR西日本、南小谷〜松本間はJR東日本の管轄になっています。
そのうちJR西日本の区間である糸魚川〜南小谷間は利用者数が少ない赤字路線となっています。
これまでに利用促進のため、沿線自治体が中心となって様々な取り組みが行われてきましたが、2024年は沿線自治体だけでなくJR西日本も本格的に利用促進のための取り組みをいくつか実施しています。
そのうち、2024年8月5日からは位置情報ゲームの「駅メモ!」シリーズでコラボイベントが開催されています。
僕は開催初日の8月5日にそのイベントをやるために大糸線に乗車してきました。
駅メモシリーズのコラボイベントは新潟県内ではこれが初めてではなく、昨年2023年3月27日〜9月30日にJR東日本新潟支社とコラボイベントをやっていました。
内容は越乃Shu*KuraとゆざわShu*Kuraの停車駅と沿線スポットを巡るイベントで、グッズ販売も新潟駅、長岡駅、越後湯沢駅、上越妙高駅のNewDaysで行われていました。
その時のイベント参加者はそこそこいたようですし、グッズも早期に完売していたことから、好評だったのではないかと思います。
そのときの記事も作ってあるので、詳しくはそちらをご覧ください。
今回の大糸線と駅メモのコラボイベントは糸魚川駅〜南小谷駅の各駅と沿線にある3ヶ所の観光スポットを巡ることが目的になっています。
全ての対象駅と対象スポットを巡ると糸魚川市の「ジオステーションジオパル」と長野県小谷村の「おたり名産館」でノベルティがもらえます。
さらにグッズ販売も上記2つの観光施設で行われ、6種類のグッズが数量限定で販売されます。
糸魚川駅です。
対象駅の近くでゲーム内画面の右下の丸いボタン「チェックイン」を押すとゲーム内アイテムがもらえます。
こんな感じでこのあともやって行きます。
ちなみにこの日時点の僕のデータはこんな感じになってます。
糸魚川駅の自由通路の日本海口側にはこのようなキャラクターのパネルが設置されています。
左側が今回のイベントの主役の「南小谷れんげ」で、JR西日本のキハ120形気動車がモチーフになっています。
「南小谷」は南小谷駅から、「れんげ」は平岩駅から南西へ22km先の山奥にある温泉「蓮華温泉」から取られているとのことです。
ちなみに右側は以前から登場しているキャラクター「糸魚川せつか」で、トキ鉄の観光列車雪月花がモチーフになっています。
トキ鉄は駅メモとコラボイベントを実施しているわけではないのですが、これで実質コラボしているようなものになります。
まず最初に糸魚川駅のジオパルでグッズ6種類すべて買いました。
大糸線に乗車する前に、糸魚川駅の近くに対象スポットがあるのでそちらへ行きます。
日本海口を出て海のほうへまっすぐ徒歩5分のところにあるこの展望台です。
ここからは糸魚川市の中心市街地や日本海の景色を眺めることができます。
さて、大糸線に乗車します。
今回使う乗車券は「糸魚川・白馬tabiwaパス」で、前回7月20日にも使ったものです。
料金は1000円、有効期間は2日間、糸魚川〜白馬間の鉄道や増便バスに何回でも乗り降りすることができます。
ネットで購入するデジタルパスなのでネットにつながっていれば基本的にいつでもどこでも購入できますし、これがあれば券売機できっぷを買ったり車内や駅改札口で精算する手間が省けるのでとても便利です。
最初は増便バスに乗車して南小谷まで向かいます。
前回と同じ11時5分発の便です。
乗車時の車内の様子です。
乗客は僕を入れて9人ほどでした。
ここから姫川、頸城大野、根知、小滝、平岩の順に各駅到着時にチェックインをしていき、ゲーム内アイテムを手に入れていきます。
長野県に入って最初の駅の北小谷駅付近にある「道の駅小谷」は対象スポットの一つとなっています。
増便バスの場合はこの道の駅小谷の敷地内に入るので、バスから降りなくてもチェックインをするとクリアとなります。
ここでは5人降車し、10人乗車したので、僕を入れて14人になりました。
前回乗車した時は7月20日でイベント開始前だったのですが、ここで乗降する人は1人もいませんでしたし、ほとんどの人が白馬までの乗車でした。
それ以前にも何回か乗車していますが、北小谷駅で乗降する人はほとんどいませんでした。
今回の乗降は今までに見たことがなかった出来事なので、おそらくここで降車・乗車した人は僕と同じ目的の人だと思われます。
乗車した人のほとんどの人が運転士さんに南小谷駅で降りると申告していました。
運転士さんが珍しいと思ったのか乗客に「南小谷で何かあるんですか?」と聞くほどで、その人は「イベントです」と答えていたので、これは間違いないなと思いました。
12時50分ごろ、南小谷駅に到着したので降ります。
南小谷駅構内にもポスターとパネルがあります。
南小谷駅からは最後の対象スポットである「おたり名産館」へ行きます。
ここではノベルティがもらえたり、グッズが買えたりします。
僕のほかにも10数名降車し、対象スポットへ向かって行きました。
なお、増便バスに乗車していれば走行中にこの前を通るので、バス車内でチェックインをしてクリアすることも可能です。
ここで、すべての対象駅と対象スポットを巡ったので
ノベルティ2種類をもらうことができました。
グッズは糸魚川のジオパルで全種類買ったので、ここでグッズは買いませんでしたが、その代わり小谷村産の漬物が売っていたのでそれを2つ買いました。
南小谷駅に戻り、次は13時57分発の増便バス糸魚川行きに乗車します。
この時点での乗客は僕を含めて13人で、ほとんどこの駅からの乗車でした。
14時9分ごろ、北小谷駅(道の駅小谷)に着きました。
最初のバス車内でこの対象スポットはクリアしたのですが、ついでにこの道の駅やその周辺を観光したいと思ったので、ここで降車しました。
僕以外にも何人か降車し、さらに乗車する人が7〜8人いました。
この道の駅は土産物店や飲食店のほか、温浴施設もあり、北小谷駅にも近いので、今の大糸線の運行間隔であれば次の便の発車時間まで余裕を持って過ごすこともできると思います。
次に乗車する便は鉄道なので、北小谷駅まで歩いてきました。
北小谷駅の駅舎はこんな感じ。
駅の中やホームはこんな感じになっています。
14時57分発の糸魚川行きに乗車し、ひとつ隣の平岩駅で降車しました。
この時乗った便は前回と同じく2両編成でした。
ここはイベントの対象スポットではありませんが、この駅から22kmほど離れた場所に「蓮華温泉」があり、キャラクターの名前はこの温泉の名前から取られたものだということで降りてみることにしました。
この平岩駅や糸魚川駅から蓮華温泉へ向かうバスが1日数本運行しており、今回は時間がなかったので行きませんが、なるべく近いうちに行ってみたいと考えています。
蓮華温泉には行きませんが、その代わり今回は駅から徒歩5分のところにある「ホテル國富 翠泉閣」へ行き、日帰り温泉に入りました。
この辺りは長野県との県境付近にあり、長野県側にも温泉旅館がいくつかあります。
そちらにもなるべく近いうちに行ってみたいと考えています。
平岩駅16時45分発の糸魚川行きに乗車し、糸魚川まで戻ります。
この時の便は1両でしたが、ほぼすべての座席が埋まるほど乗客が乗っていました。
今までは大糸線に乗車する人というのは途中の駅で乗降する人がおらず、終点の南小谷まで行ってさらにその先の松本方面へ乗り換える人がほとんどでした。
また、前回乗車した増便バスについては糸魚川駅から乗車した人は全員終点の白馬駅までの乗車でした。
しかし、この日は途中の北小谷駅や南小谷駅で乗降する人が普段よりも多く、対象スポットとなっている観光施設で飲食や買い物などをしている人が多く見られました。
単純に普段よりも乗客が多かったのは僕の予想通りだったのですが、途中の駅で乗降する人が普段よりも多かったというのは予想以上でした。
やはり駅メモはそういった良い効果があるのだとあらためて思いました。
ちなみに、大糸線以外のJR西日本エリア内では、現在は兵庫県北部の山陰本線と播但線で行われており、過去には福井県の小浜線や和歌山県の紀勢本線でもコラボイベントが行われていました。
いずれも大糸線と同じく利用者数1日2000人未満の路線・区間が含まれています。
しかし、これらはその中でもまだ良いほうの部類で、大糸線はJR西日本の中でもワースト5位以内に入るほど利用者数が少ない赤字路線となっています。
コラボイベントをやるというのはタダではないはずで、権利料が発生したり、グッズの生産にお金がかかったりと何かと費用が大きくかかっているはずです。
そんな厳しい状況であるのにも関わらず、今回のようなイベントをやっているわけですから、今年の大糸線の利用促進の取り組みはかなり本気を出しているということが伺えます。



